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【実践ワーク】チームの意思決定プロセスを透明化し、実行へのコミットメントを高めるワークショップ

Tags: 意思決定, チームワーク, ワークショップ, コミットメント, 透明性, 問題解決, コミュニケーション

チームで何かを決定する際、その決定に至るプロセスが不透明だと、メンバーは納得感を持ちにくく、結果として決定内容へのコミットメントが低下する可能性があります。特に複雑な課題や複数の利害関係が絡む場合、決定の「なぜ」が共有されないと、後々になって不満が生じたり、実行段階での協力が得られにくくなったりすることがあります。

本記事では、チームの意思決定プロセスを意図的に透明化し、決定の根拠を共有することで、チーム全体の納得感と実行へのコミットメントを高めるための実践的なワークショップについて解説します。

なぜ意思決定の透明化とコミットメント向上が重要か

チームの意思決定において、単に「何を」決定したかだけでなく、「なぜ」その決定に至ったのか、どのような選択肢を検討し、どのような基準で評価したのかを共有することは非常に重要です。

ワークショップ概要

このワークショップは、チームで下された重要な意思決定について、そのプロセスと根拠を共有・確認し、チーム全体の理解とコミットメントを深めることを目的としています。

ワークショップ手順

ステップ1: 決定事項の共有と背景の確認(10分)

まず、今回ワークショップで扱う特定の意思決定を明確にします。既に下された決定内容を全員で再確認し、その決定がなぜ必要だったのか、どのような状況や問題に対して行われたのかといった背景情報を共有します。

ステップ2: 検討した選択肢と評価基準の共有(15分)

その決定に至るまでに、どのような代替案や選択肢が検討されたかを共有します。そして、それぞれの選択肢を評価する際に用いられた基準(例:コスト、期間、リスク、効果、実現可能性など)を明確にします。

ステップ3: 決定に至った論拠の深掘り(20分)

最も重要なステップです。なぜ、最終的にその選択肢が選ばれたのか、その決定を裏付けるデータ、情報、専門知識、経験則、チームの価値観、戦略的な判断などを詳細に共有・議論します。

ステップ4: 想定される影響とリスクの検討(15分)

この決定がチーム内の他の活動や、関連するステークホルダー、システムなどにどのような影響を与える可能性があるか、そしてどのようなリスクが考えられるかを共有し、必要に応じて議論します。

ステップ5: 決定への理解とコミットメントの確認(10分)

ここまでの議論を通じて、参加者一人ひとりが決定内容、その根拠、想定される影響・リスクについてどの程度理解できたかを確認します。そして、決定事項を実行に移すことへの各自のコミットメント(賛成/反対ではなく、理解し、チームとして協力する意思があるか)を確認します。

ステップ6: ネクストアクションの明確化(5分)

決定事項を実行に移すための具体的な次のステップ、担当者、期限を明確にします。

ワークを成功させるためのポイント

まとめ

チームでの意思決定は、単に最適解を選ぶプロセスだけでなく、チーム全体の協力体制を築き、目標達成に向けた一丸となった行動を促すための重要な機会です。本ワークショップで紹介した手順を通じて、意思決定プロセスを透明化し、その根拠を共有することで、チームメンバーの納得感と実行へのコミットメントを劇的に高めることができます。

このワークショップを実践することで、あなたのチームはより強固な信頼関係を築き、困難な課題にも効果的に取り組むことができるようになるでしょう。ぜひ、チームで試してみてください。