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【実践ワーク】チームの議論を目的別に発散・収束させるワークショップ

Tags: 議論, 発散, 収束, ワークショップ, ファシリテーション, チームワーク, 問題解決

チームでの議論は、新しいアイデアを生み出したり、複雑な問題を解決したり、重要な意思決定を行ったりするための不可欠なプロセスです。しかし、議論の目的が不明確であったり、適切な進め方ができていない場合、期待する成果が得られないことがあります。特に、「アイデアを広げるべき発散フェーズ」と「結論を出すべき収束フェーズ」の切り替えがうまくいかないことは、多くのチームが直面する課題の一つです。

本記事では、チームの議論を目的別に意図的にデザインし、必要なタイミングで「発散」と「収束」のモードを切り替えるための実践的なワークショップ手法をご紹介します。このワークショップを通じて、チームの議論の質を高め、より効果的な問題解決や意思決定を実現する方法を学びます。

チーム議論における「発散」と「収束」の重要性

チームでの議論は、大まかに以下の2つのフェーズを繰り返しながら進行します。

効果的な議論は、これら2つのフェーズを意図的に、そして適切なタイミングで切り替えることで成り立ちます。ブレインストーミングで発散した後に、投票やグルーピングで収束させるのは典型的な例です。しかし、多くのチームでは、発散している最中に誰かが収束しようとしたり、収束しなければならないのにいつまでも発散を続けてしまったりといった状況が見られます。

発散・収束切り替えワークショップの目的と効果

このワークショップの主な目的は、チームメンバーが発散フェーズと収束フェーズそれぞれの目的と進め方を理解し、議論全体の流れの中でこれらを意識的に使い分け、円滑に切り替えられるようになることです。

期待される効果は以下の通りです。

実践ワークショップの手順

以下に、チームで実施できる「議論の発散・収束切り替えワークショップ」の具体的な手順を示します。このワークショップは、実際の課題やテーマを用いて行うことで、より実践的な学びが得られます。所要時間はテーマの複雑さや参加人数によりますが、目安として60分〜90分程度を見込んでください。

準備

  1. ワークショップの目的設定: 今回のワークショップで「何を議論し、どのような成果(アイデア、結論、決定事項など)を得たいのか」を明確に設定します。具体的な課題やプロジェクトについて議論するのが最も効果的です。
    • 例: 「次のスプリントで取り組むべき技術的負債への対応策アイデア出しと優先順位決定」
  2. アジェンダ設計: ワークショップの時間配分と、発散フェーズと収束フェーズそれぞれの時間、および切り替えのタイミングを明確に設計します。
    • 例: 目的説明(5分)→発散パート(20分)→切り替え(5分)→収束パート(30分)→まとめ(10分)
  3. ツールの準備:
    • 物理的なツール: ホワイトボード、模造紙、付箋、マーカー。
    • オンラインツール: Miro, Mural, FigJamなどのオンラインホワイトボードツール。Google Docs/Sheets、Slackなども補助的に利用できます。
  4. ファシリテーターの準備: ファシリテーターは、各フェーズの目的、ルール、時間配分をしっかり理解し、どのように進行するかをシミュレーションしておきます。

ワークショップ実施

ワークショップの冒頭で、本日の目的とアジェンダ、そして特に「発散」「収束」それぞれのフェーズが存在し、意図的に切り替えることの重要性を説明します。

1. 発散パート
2. 切り替え
3. 収束パート
4. まとめ

効果を出すためのポイント

まとめ

チームでの議論は、目的達成のために発散と収束という異なるモードを意図的に使い分けることが極めて重要です。本記事でご紹介したワークショップは、チームメンバーがこのプロセスを意識し、円滑に切り替えるための実践的なフレームワークを提供します。

具体的な課題を設定し、定められた手順と時間配分でワークショップを実施することで、チームの議論の質は確実に向上します。発散フェーズでより多くの可能性を探り、収束フェーズで的確な判断を下せるようになることで、チームの全体的な問題解決能力と意思決定能力が高まるでしょう。

ぜひ、あなたのチームでもこのワークショップを実践し、議論の成果を最大化してください。継続的な実践が、チームのコミュニケーションとコラボレーションの質を高めることに繋がります。