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【実践ワーク】チームの課題を構造化・共有する課題マップ作成ガイド

Tags: 課題解決, チームワーク, ワークショップ, ファシリテーション, 課題マップ

チームの課題を明確にする重要性

チームで目標達成を目指す上で、様々な課題に直面することは避けられません。しかし、これらの課題が曖昧であったり、メンバー間で認識が異なっていたりすると、効果的な対策を講じることが難しくなります。問題解決の第一歩は、課題を正確に特定し、その本質を理解することです。

本記事では、チームの課題を構造化し、メンバー間で共通認識を持つための実践的なワークである「課題マップ作成」についてご紹介します。このワークを通じて、チームは課題間の因果関係を整理し、本当に取り組むべき根本原因を特定する力を高めることができます。

課題マップとは

課題マップ(またはイシューマップ、イシューツリー)とは、チームが抱える個別の課題を洗い出し、それらの間の原因と結果の関係を矢印で結んで可視化した図のことです。複雑に絡み合った課題を整理し、全体像を把握するのに役立ちます。

例えば、「製品のバグが多い」という課題は、単独で存在するのではなく、「テスト時間が不足している」「仕様変更が頻繁すぎる」「開発メンバーのスキルにばらつきがある」といった他の課題と関連している可能性があります。課題マップを作成することで、これらの関連性を一目で理解し、表面的な課題ではなく、その背後にある根本原因に焦点を当てやすくなります。

課題マップ作成ワークの目的と効果

このワークの主な目的は以下の通りです。

適切に実施することで、チームの課題解決に向けた最初の一歩を、より効果的かつ効率的に踏み出すことができます。

課題マップ作成ワークの手順

ここでは、チームで課題マップを作成するための具体的なステップを解説します。対面での実施を想定していますが、オンラインツールを活用すればリモートチームでも同様に実施可能です。

準備するもの:

ステップ 1: 個々で課題を洗い出す(10-15分)

まず、チームメンバーそれぞれが、現在のチームやプロジェクトに関して「課題だと感じていること」を個別に付箋に書き出します。

ステップ 2: 課題を共有し、グルーピングする(15-20分)

メンバーが書き出した付箋を、模造紙やホワイトボードに貼り出します。その後、似ている内容や関連性の高い課題をまとめてグルーピングします。

ステップ 3: 課題間の因果関係線を引く(20-30分)

貼り出された個別の課題やグルーピングされた課題の間で、原因と結果の関係性を見つけ、矢印で結んでいきます。「〇〇が原因で、△△が起きる」という関係であれば、「〇〇」から「△△」へ矢印を引きます。

ステップ 4: マップをレビューし、重要な課題を特定する(10-15分)

完成した課題マップを全員で俯瞰します。マップ全体を見て、特に矢印が多く集まっている課題や、他の多くの課題の原因となっているような課題(マップの根元に近い課題)に注目します。

ステップ 5: 次のステップへつなぐ(5分)

特定した重要な課題に対して、今後どのように取り組んでいくかを簡単に確認します。「これらの課題について、来週のミーティングで具体的な解決策をブレインストーミングしよう」「担当者を決めて情報収集を進めよう」など、具体的なアクションを決めます。

ワークを成功させるためのポイント

まとめ

課題マップ作成ワークは、チームが直面する複雑な課題を整理し、根本原因に迫るための有効な手法です。個々の課題を可視化し、それらの因果関係を構造的に理解することで、チーム全体として課題に対する共通認識を持つことが可能になります。

このワークを通じて特定された重要な課題は、その後の解決策検討や具体的なアクションプラン策定の強力な土台となります。ぜひチームでこのワークを実践し、効果的な問題解決への一歩を踏み出してください。チームのブレスト力と決定力の向上に繋がることを願っております。