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【実践ワーク】チームの成功要因を分析し、成果の再現性を高めるワークショップ

Tags: チームワークショップ, 成功要因分析, 継続的改善, 組織学習, チーム成長

問題解決の手法を学ぶことは重要ですが、チームの成果を最大化するためには、上手くいった事例から学び、その成功を意図的に再現することも同じくらい重要です。しかし、「なぜかあの時は上手くいったが、次には再現できない」「特定のメンバーがいる時だけ成果が出る」といった課題を抱えるチームも少なくありません。

本記事では、チームで過去の成功事例を分析し、その要因を明らかにして、今後の活動で同様の成果を再現するためのワークショップをご紹介します。このワークショップを通して、チームは成功の「勘所」を共有し、組織的な学習能力を高めることができます。

なぜチームで成功要因を分析する必要があるのか

多くのチームは、課題や失敗の原因分析には時間を割きますが、成功した理由については深く掘り下げない傾向にあります。しかし、成功は単なる偶然ではなく、そこには必ず何らかの要因が存在します。これらの要因を体系的に理解し、共有することで、チームは以下のメリットを得ることができます。

成功要因分析ワークショップの目的

このワークショップの主な目的は以下の通りです。

ワークショップの進め方(実践ガイド)

このワークショップは、一般的に2時間から3時間程度で実施できます。参加人数や事例の複雑さによって調整してください。オンラインツール(Miro、FigJamなど)や物理的なホワイトボード、付箋、ペンなどを用意します。

ステップ1:成功事例の特定と選定(15分)

まず、チームが過去に経験した「成功」と感じる事例をそれぞれ書き出します。大小問わず、目標達成、課題解決、新しい試みの成功、顧客からの高い評価、チーム内のコラボレーションが特にうまくいった経験など、ポジティブな結果に繋がったことであれば何でも構いません。「成功」の定義はチームで共有しておくとスムーズです。

ステップ2:成功事例の深掘り(30分)

選定した成功事例について、客観的な事実を詳細に共有します。主観的な評価ではなく、「何が」「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」行ったのか、時系列で具体的に明らかにしていきます。

ステップ3:要因の分析(45分)

ステップ2で共有された事実に基づき、「なぜこの事例は成功したのか?」という問いに対する要因を洗い出します。多様な視点から要因を考え、一つでも多くの可能性をリストアップします。

ステップ4:要因の構造化と本質の見極め(30分)

洗い出した要因を構造化し、特に重要と思われる「本質的な成功要因」を見極めます。複数の要因がどのように関連しているのか、何が最もクリティカルだったのかをチームで議論します。

ステップ5:再現のためのアクションプラン策定(30分)

特定された本質的な成功要因を、今後のチーム活動にどう活かすか、具体的なアクションプランを策定します。「これを再現するために、明日から何をしますか?」という問いに答える形で、実行可能な行動計画を立てます。

効果を出すためのポイント

まとめ

チームの成功要因を分析するワークショップは、単に過去の栄光を振り返るものではありません。それは、チームの強みを言語化し、組織的な学習を促進し、今後の活動においてより高い成果を継続的に生み出すための強力な手法です。

このワークショップを通じて、チームは自分たちの「成功パターン」を理解し、それを意識的に活用できるようになります。ぜひ、皆さんのチームでも成功事例を「解剖」し、さらなる成長に繋げてみてください。このワークショップが、皆さんのチームの継続的な成功と学習の一助となれば幸いです。