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【実践ワーク】チームワークショップのファシリテーター役割と進め方

Tags: ファシリテーション, チームワークショップ, 会議運営, チームビルディング, コミュニケーション

チームワークショップ成功の鍵:ファシリテーターの役割とは

チームでのブレインストーミングや意思決定、問題解決のワークショップは、効果的に行われることでチームの力を最大限に引き出します。しかし、単に人を集めて議題を出すだけでは、発言が偏ったり、議論が拡散したり、結局何も決まらないまま終わってしまったりすることも少なくありません。このような状況を避け、ワークショップの成功を左右する重要な役割を担うのが「ファシリテーター」です。

ファシリテーターは、特定の意見を持つ当事者としてではなく、中立的な立場でチームの対話や協働を促進し、ワークショップの目的達成を支援する存在です。この記事では、チームワークショップにおけるファシリテーターの具体的な役割と、ワークを円滑かつ効果的に進めるための実践的なステップやポイントについて解説します。

ファシリテーターの主な役割

ファシリテーターは、ワークショップ全体を通じて多岐にわたる役割を担いますが、特に重要なのは以下の点です。

  1. 目的とゴールの明確化: ワークショップを始める前に、何のために集まるのか、終わったときに何を得たいのかをチームと共有し、全員が同じ方向を向けるようにします。
  2. 中立性の維持: 特定の意見や立場に偏らず、全ての参加者が安心して発言できる公平な場を提供します。自身の意見を述べる場合でも、あくまで情報提供として扱い、議論の方向性を個人的な思惑で誘導しないようにします。
  3. 参加の促進: 一部の参加者だけが話す状況を防ぎ、全員が意見やアイデアを出しやすい雰囲気を作ります。発言が少ない参加者にさりげなく問いかけたり、積極的に発言している参加者に感謝を伝えたりします。
  4. 対話の構造化と焦点維持: 議論が脱線しそうなときや、論点が曖昧になっているときに、軌道修正を促したり、質問を投げかけたりして、議論を構造化し、ワークショップの目的に沿って進めます。
  5. 時間管理: 限られた時間内で設定したアジェンダを消化できるよう、各アクティビティにかける時間を管理し、必要に応じてチームに周知します。
  6. 合意形成の支援: チームが結論や次のステップに合意できるよう、意見の集約を助けたり、対立する意見の共通点を見つけたり、適切な意思決定手法(投票、コンセンサスなど)の適用を促したりします。
  7. 記録と可視化: 議論の内容や出たアイデア、決定事項などをホワイトボードや模造紙、オンラインツールなどで記録し、参加者全員が見える形(可視化)にします。これにより、共通理解を深め、後で振り返る際の助けとなります。

ワークショップ進行の具体的なステップ

ファシリテーターは、ワークショップを以下のステップで進めることが一般的です。

ステップ1:準備段階

ステップ2:開始段階(オープニング)

ステップ3:実行段階(ワークと議論の進行)

ステップ4:終了段階(クロージング)

効果を高めるためのファシリテーターの姿勢とスキル

優れたファシリテーションは、単なる手順の実行に留まりません。以下のような姿勢やスキルがワークショップの成功に大きく貢献します。

まとめ

チームワークショップにおけるファシリテーターは、単なる司会進行役ではなく、チームの協働を促進し、議論を構造化し、目的達成を支援する重要な役割です。準備からクロージングまでの各ステップを丁寧に実行し、アクティブリスニングや効果的な質問、心理的安全性の醸成といったスキルを意識することで、ワークショップの効果は格段に向上します。

初めから完璧なファシリテーションは難しいかもしれません。しかし、今回ご紹介した役割とステップ、そして効果を高めるポイントを理解し、一つずつ実践を重ねることで、チームのブレインストーミングや意思決定をより円滑で生産的なものに変えていくことができるはずです。ぜひ、次回のチームワークショップでファシリテーター役を引き受け、これらの実践に挑戦してみてください。